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主体性の罠が社員を疲弊させる

主体性の罠が社員を疲弊させる

Shaer
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 経営者や管理職の立場の人であれば一度は社員に対して「主体性を持って働け」と言ったことがあるのではないでしょうか。指示待ち社員にならない主体性をもった社員を育てることが社員教育であると考えている人も少なくないでしょう。

 社員が主体的に考えて働く姿は一見理想的に思えるかも知れませんが、実はそこに社員を疲弊させる落とし穴があります。

 上司や経営者はいちいち指示を出さなくても社員が自分で考えて動けるようになることを期待しがちですが、現実的には社員一人ひとりがどう考えて動くかは人それぞれバラバラです。そして行動に差異が生じます。

 行動に差が生じるということは作業量に偏りが生じます。10できる社員、5できる社員、1しかできない社員、というように作業量に差が出てきます。そしてその作業量の差は体力の消耗の差になります。仕事が早くこなせる社員は任せられる仕事量が増えてしまい疲弊してしまう、ということが起きます。また作業量に違いがあっても給与の差があまりないと不公平感が生じます。

 できる社員ほど早く辞めてしまうという現象がありますが、それはこうした作業量の偏りや不公平感からくる会社への不信感です。

 社員が主体的に働くという言葉はとても耳障りが良いですが、そもそも主体性というものは一人ひとり違うものです。能力や特性も各人異なります。仮に社員全員が各自主体的に動いたところで業務には無理やむらが生じ、結果的には足並みが揃わず組織運営にとってはマイナスということになりかねません。

 もし経営者や管理職の立場の人が社員は主体的に働くべきと考えているとしたら、それは社員の教育や管理を怠っているということになります。悪く言えば人任せということだからです。

 社員が何をどのように作業をするのか行動をするのかはそれを担当する社員が決めることではなく管理する立場の人が決めることです。指示待ち社員を悪く言う向きもありますが、次の指示を待たせてしまっているのは当の管理する側で、作業割り当てに課題がある訳です。

 上司や経営者がいちいち指示をしなくても思い通りに社員が動いてくれたらそんなに楽なことはないでしょう。中にはそんな社員もいるかも知れませんがそれは例外で、そのような社員ばかり増えることはありませんし、そんな人材だけを採用しようとすることも不可能です。

 社員の主体性という幻想に囚われず、社員教育や作業割り当てを整備することが肝要です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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